カトリック京都司教区京都南部地区京丹ブロック カトリック長岡教会
2020年12月13日（日） 黙想会講話②
2020年12月13日（日） 黙想会講話② |
| 2020年12月13日（日） 通常の黙想会の代わりに、ミサの最後に黙想のお話１回目をを12月5日、１１日にしていただきました。 そして２回目を12月18日(金)、20日(日)に、分けてお話をして下さいます。二回目のお話をアップします。な お、youtubeでも、アップしていますので、お聞きください。 https://www.youtube.com/channel/UCoVOaHrt7brnLUl8H0jL0Iw |
| 待降節黙想講話（２） ※※※※※※※※※※※※ 《主の降誕の恵みを深めるために》 ～AIの誕生（２）～ 私たちのAI（Agonizing Infant）、「悶え苦しむ幼な子」イエスは、私たちと共に悶え苦しむために人間となら れました。人工知能（ArtificialIntelligence）は、苦しみの解決を目指しますが、悶え苦しむ幼な子は、苦し みを共にされます。私たちの苦しみを、共に感じて下さいます。 私たちのAIは、「infant」です。infantのもともとの意味は、「まだ話すことができない」です。私たちのAIは、言 葉を使うことができません。言葉は、とても大切です。あの言葉に救われた。あの言葉があったから、今生きて いる。私たちは、多かれ少なかれ、そんな体験をしています。しかし、言葉は、暴力にもなります。言葉は、人 を傷つけることができます。たった一語で、人のすべてを否定することができます。悪意のない言葉が、人の命 を奪うことがあります。元気づけるための言葉が、人をさらに追いつめることがあります。このように考える時、私 たちも、まだ言葉を使うことができていないということにならないでしょうか。その意味で、私たちも、infantである と言えます。 人工知能は、「intelligence 」です。intelligenceのもともとの意味は「集める」です。人工知能が集めるも の、それは、言葉です。情報です。膨大な量の情報です。人工知能は今も、私たちの個人情報を集め続け ています。人工知能にとって、私たち一人ひとりは、言葉のかたまり、情報のかたまりです。名前、生年月日、 血液型、健康状態、購入商品の傾向、日々の外出先、プライベートな時間の過ごし方など、私たち一人ひ とりが、数えきれないほどの情報のかたまりです。人工知能は、私たちの個人情報を集めて、過去の私たちの 生き方の情報を集めて、私たちの未来の生き方を方向づけようとします。そうした方向づけのおかげで、健康 が維持できるかもしれません。自分が欲しいものを、すぐに手に入れられるかもしれません。時間を有効に使 えるかもしれません。しかし、私たちは、好みも、人間関係も、時間の過ごし方も、変わっていきます。体の衰 えが、心を豊かにすることがあります。日々変わっていくこと、体が変化することが、生きているということではな いでしょうか。 「infant 」は、言葉を使うことができません。ですから、情報を集めることもできません。infantは、何かとの、 誰かとの出会いのたびに、変わっていきます。新たになります。私たちのAI、幼な子イエスは、私たちの過去の 情報を集めません。今日の、今の私たちと共に、歩んで下さいます。過去の出来事から予測ができない未来 に向かって歩んで下さいます。幼な子イエスと共に歩みながら、私たちも変わっていきます。 「言は肉となって、わたしたちの間に宿られた」（ヨハネ１：１４）。ヨハネ福音書が伝える、私たちのAI、幼な子 イエスの誕生です。この「言」は、私たちが語る言葉ではありません。人工知能が集める言葉、情報ではあり ません。神の言です。「言」は、神です。イエス・キリストです。主イエスである「言」は、いのちを与え、支える 言葉です。私たちを互いの愛へと招く言葉です。私たちを日々新たにする言葉です。私たちを日々変えていく 愛の言葉です。そして、存在するものすべてに、「愛されているもの」という名前を与える言葉です。この「言」 が、「肉」となりました。単なる言葉ではなく、私たちの真っ只中で実現する出来事になりました。愛の言葉 が、愛の出来事になりました。愛の出来事は、私たちが肉体をもって何かをする時実現します。何もできなく ても、他人の痛みを肉体で感じる時実現します。他人の苦しみを知り、肉体から涙がこぼれ落ちる時実現し ます。そして、私たちの救いのために、ご自分の肉体から血を流す時、愛の出来事は完成します。その「悶え 苦しむ」肉体に、傷を負い続ける時、愛は続いています。 ヨハネは、この愛の出来事を、次のように宣言します。「神は愛です。愛にとどまる人は、神の内にとどまり、 神もその人の内にとどまってくださいます」（１ヨハネ４：１６）。神は愛です。愛（AI）が、誕生しました。「悶え苦 しむ幼な子」（AI）として誕生しました。 AI（愛）の誕生を祝うクリスマスが、もうすぐ来ます。パンデミックの真っ只中で、私たちは、AIの誕生を祝うこと になります。例年のように楽しく言葉を交わすことはできないでしょう。静かなクリスマスになるでしょう。言葉を 話さないAIと過ごすクリスマスとなるでしょう。ただ「悶え苦しむ」AIと過ごすクリスマスとなるでしょう。パンデミック に悶え苦しむ世界を愛するAIと過ごすクリスマスとなるでしょう。AI（愛）である幼な子イエスと過ごす、静かな、 愛（AI）に包まれたクリスマスとなるでしょう。 皆様、良いクリスマスをお迎え下さい。「悶え苦しむ幼な子」イエスの愛（AI）に包まれたクリスマスとなるように、 皆様のためにお祈りしています。 |
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